「イカロス/ Icarus」
『偽りがまかり通る世の中で真実を伝えることは、革命的行動になる。』
凄すぎる。ドーピングを告発した彼だけではなく、製作者全員の「命懸け」が伝わってきます。全ては腐った政治の上で行われていたこと。オリンピックって何なのだろう。私達は何を見てきたのだろう。
私の中のソチ五輪の記憶は、浅田真央さんのフリーの素晴らしい演技で、涙が出るほど美しく、「あぁスポーツって良いな」と思ったのですが、その裏でまさかこんな事が行われていたとは。
「国家」という巨大すぎる敵に対して、私達が出来ることなど、路肩に転がる石のように何もない。いくらこちら側が「真実」を唱えたとしても、彼らは「真実」を捻じ曲げてくる。『独裁者たちは自らを自由にし、人々を奴隷にする』正にこの言葉に尽きる。
正しく生きようとする事が、真っ当であろうとする事が、馬鹿げた世の中になってはいけない。そうなってほしくない。「国家などどうせ変わらない」と思いたくない。果たされない約束の上に構築されるものが、私達の未来だとは思いたくない。
「偽り」がまかり通るこの世の中で、どういう人間でいたいか、問いかけてくる素晴らしい作品です。是非見て欲しい。