このレビューはネタバレを含みます
大変なものを観てしまった・・
Netflixか～と侮って観ていた2017年アカデミー賞受賞長編ドキュメンタリー。
スポーツに於けるドーピング問題を探るべく、自転車競技に監督自身が投薬して参加するという体裁でスタートしたドキュメンタリーが、飛んでもない国際問題の告発に繋がる衝撃の展開に息が詰まる。
ドーピング問題の専門家としてロシアの研究機関の所長を頼ったところから、国際競技に参加するロシア選手の検査逃れの方法が語られる。
2014年ソチ開催の冬季オリンピックでは、国のトップからの指令により、ロシアの諜報機関も加担してドーピング検査を巧妙に逃れていた実態が明らかにされる。
その後このロシアの研究機関の所長が、当局の追及を逃れる為に妻子を残して監督を頼ってアメリカに渡る。監督自身も思いもよらない事態に当事者として立ち会う事になる。
アメリカに渡ってからも、命の危険を感じて怯える表情が克明に写しだされる。
つい先日の平昌冬季オリンピックにロシア選手は国としての参加が許されなかった。
そして今正に開催中のパラリンピックにもロシアは国としての参加が認められなかった。思わず日本選手は大丈夫なのかと不安が胸を過る。
そして一昨日のニュースは、イギリスでの元ロシアのスパイの暗殺を報じた。
「シチズンフォー」のスノーデンのドキュメンタリーは、心構えをした映画館で観た。この作品はまるで不意打ちを喰らったような衝撃。
更に来年ロシア開催のサッカーW杯では、この国家ぐるみのドーピングの首謀者の一人とされる人物が公式主催者となる予定だとのこと。
ハリウッドがこのドキュメンタリーにアカデミー賞を授与したのは、現政権へのロシア疑惑へのアピールとも取れると感じる。
