いとJ

イカロスのいとJのレビュー・感想・評価

イカロス(2017年製作の映画)
5.0
監督・主演はアマチュアロードレーサーのブライアン・フォーゲル。最初はドーピングしてバレない方法があるらしいので、俺も使ってレースに参加するぜ!という、自転車版『スーパー・サイズ・ミー』的な話かと思ったら(たぶんその予定で作るはずだったと思いますが)、ちょうどそのとき、陸上競技界でロシアのドーピング問題が発覚。主人公に協力していたロシアのドーピング検査機関の所長は、あらゆる競技で長年にわたって行われてきたロシアのドーピングを告発しようとするも、そこで所長の大学以来の友人であるロシアの反ドーピング機関の幹部が謎の死を遂げる!ドーピング検査機関は潰れ、元所長にも命の危険が及ぶ事態に!ブライアンは彼を無事アメリカへ亡命させ、彼らはロシアの不正を暴くことができるのか……という、奇跡的に撮れたドキュメンタリーになった。自転車版『スノーデン』のようだ(スノーデンの告発に関わった弁護士も登場する)。

この告発でロシアの多くのメダル獲得者がドーピングを行なっていたことが明らかになったが、結果的にIOCはロシアに対してほとんど是正を求めず今もオリンピックへ出場させ続けている。元所長は今も亡命中で命の危険にさらされて生活している。プーチンの顔がこんなに怖いと思ったことはない。おそロシア……。
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