たく

マーウェンのたくのレビュー・感想・評価

マーウェン(2018年製作の映画)
3.6
暴行事件のトラウマから「マーウェン」っていう架空の町に生きる人形たちの写真を撮り続けた男の実話で、空想と現実が交差する場面でのゼメキスらしい緻密な映像が良かった。
いわゆる箱庭療法ってやつで、「ヘレディタリー」でもトニ・コレットが似たようなことやってたね。

マークが街の人々から愛されてる感じが伝わってくるんだけど、本人はトラウマに苦しんでいて孤独なんだよね。彼を苦しめてる魔女の緑色が精神安定剤みたいな緑の錠剤を象徴してて、1日1錠ルールを破って飲み過ぎちゃうのが飲兵衛の自分と重なって他人事じゃなかった。スティーブ・カレルはこういうちょっと病んだ感じの役が上手い。

終盤で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のセルフオマージュが出てきて、タイムマシンのボタンを押す音とか未来へ飛んだ後に残る軌跡がデロリアンと同じなのが心憎い。「あとちょっとで手が届かない」っていう演出もドクを思わせたね。
ラストで「愛を一生みつけられない人もいるし、みつける人もいる」ってセリフが切なかった。
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