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ミスミソウのmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

ミスミソウ(2017年製作の映画)
3.9
田舎の閉塞感、苛烈ないじめ、凄惨な暴力。その向こうにあるのは、私、俺にしか興味のないディストピア。
暴力グロ描写がややギミックが効きすぎて笑ってしまうのと、要素詰め込み過ぎなのがもったいない感じはしたが、ド級の展開と過激さは近年の韓国映画にも勝る傑作!

激しいいじめから始まる物語は、やがて激烈な復讐譚、さらにすべてを巻き込む驚愕の超展開に転がっていく。百合と青春と恋愛が、あこがれと嫉妬「私たちなんでこうなっちゃったんだろうね」へと転じ、凄惨な世界に繋がっていく展開が強烈。

田舎と青春ならではの閉塞感が大きな原因のように見えるが、実はすべては「私」しかいないエゴだけのディストピア世界の行く付く先。
それでもあそこで素直になれていれば、真にミスミソウが咲くような美しいもうひとつの世界があったのだろうかと妄想させてくれるラストが素晴らしい。

役者では大塚れなさんがとても印象に残りました。原作は未読です。、