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ビール・ストリートの恋人たちのdaiのレビュー・感想・評価

4.5
原題はIf Beale Street Could Talk
意味は「ビールストリートが証言できたならば」と言ったところだろうか。

1970年代のアメリカが舞台。公民権運動後のアメリカ。しかし、依然として人種差別が色濃く残る時代。ファニーとティッシュは慎ましく愛を育てていたが、突如として理不尽に事件へ巻き込まれることとなる。

この映画は人種差別を辛辣に、そして物悲しく描いている。しかし対照的に、愛や優しさも随所に盛り込まれている。ティッシュの妊娠について激しく非難するファニーのお母さんを一蹴するお父さんや、ファニーを救うために積極的に動いたのはティッシュの家族であったり。双方の家族がふたりの幸せのために動いている様子は心を温まった。

一番響いたのは家が見つからない時に手を差し伸べてくれた白人オーナーの一言

人間の違いは、母親の違いだけ

人種差別というものを痛烈に批判する一言である。

音楽と映像がとにかく圧巻。映像の美しさが、辛辣なストーリーを中和してくれているようだった。

なお、パンフレットも素晴らしい出来。特に東京女子大の本合陽教授のコラムは作者ジェームズ・ボールドウィンについてわかりやすく書かれており一読の価値はある。
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