ビール・ストリートの恋人たちの作品情報・感想・評価

上映館(1館)

ビール・ストリートの恋人たち2018年製作の映画)

If Beale Street Could Talk

上映日:2019年02月22日

製作国:

上映時間:119分

3.7

あらすじ

「ビール・ストリートの恋人たち」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

相変わらずの上品な作風。音楽も映像も美しく、妙な仕掛けなど無いシンプルな構成も良かった。そして何よりも主人公ふたりがとても魅力的。念願の部屋が決まった直後、路上で喜び合うシーンのふたりの輝きはたまらなく眩しく美しかった。また、劇中の「ぼくらの違いは母親が違うってことぐらいだ」というセリフ、なんと素晴らしいセリフなんだろうか。いい言葉を聞けた。
自由を手に入れないと永遠に恋人のまま
EDEN

EDENの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

08/04/2019

私は、お母さんがプエルトリコに行くシーンが忘れられない。

「あなたはレイプされたことがないかれわからないのよ」と言って触れられようとすると叫ぶ彼女の悲痛もかなしいくらいわかる一方で、ファニーのための、そしてティッシュのための証言を得る為に遠くプエルトリコまで来たお母さんを思うと胸が張り裂けそうだった。特に、その時にお母さんの手に握られていたファニーとティッシュの写真。。。そこから溢れる二人の間の愛と、それを引き裂いた、当時の社会、黒人であるだけで生まれたときから背負わされた困難と生きづらさ。(「黒人である」ということが「社会的不利である」ということは現在もまだ残っている)

ファニーとティッシュの
setsudosha

setsudoshaの感想・評価

3.6
輝いていた過去、くすんだ現在、光射す未来。

このレビューはネタバレを含みます

若い二人の愛や取り巻く家族たちの愛は美しく、映像も美しい。あのような理不尽な出来事が当たり前のように起こっていたのだろう。その理不尽に立ち向かう純粋な愛。ただ全体的にはまとまっているものの、物語が冗長に感じてしまった。
なっこ

なっこの感想・評価

3.3
静かで力強い映画。

少し暗くてチョコレート色の画面。美しい恋人同士の目で交わされる会話。こうな風にそこにある愛をほんとうのことだと信じられるお話を久しぶりに見た気がする。

終始不穏な空気に包まれていて、塀の中にいる恋人との時間は行ったり来たりして事件の全容はよく分からないまま進んでいく。事件の詳細が分かるにつれて少しずつ絶望へと追い詰められていくようでやつれていく恋人とは対照的に膨らんでいくお腹。はち切れそうな不安。

ああ本当に私は知らなかった。こんな風に無実の罪を押し付けられてしまう人のいること。意地悪なんてレベルじゃない。本当に恐ろしい。でもきっと日本の学校でのいじめだってこのくらい理不尽でいわれのない暴力から始まるんだ。黒人であることの痛みを私は知らない。男であることの痛み、母であることの痛み、父であることも女であることも、私が私であることにも痛みがある。ムショで地獄を見たというファニーの友人が前科がついたことでこれからもっと理不尽な目に合うだろうことは簡単に想像がつく。そんな話を隣で聞いていた、俺には何もないという親友の話、彼の本当の傷をきっとファニーは監獄の中で知るのだろう。経験しなければ自分の身の上におきなければ、痛みを知ることはできないのだろうか。否、私たちは見たのだ。見たものから目を背けることはできない。

少しずつ壁の隅の方へと追いやっていくように、怖がらせ萎縮させ自由を奪う、そして貶めていく、そんなやり方。けれど、そうでない人たちもいた。かばい、救い、応え、守ってくれた人、手を差し伸べて、愛を示してくれた人。どちらを生きるべきかは、明らかだ。

私の傷つきは私のもの、でも、彼らの傷つきも私のものにできる、心ひとつで。

描かれているのは絶望ではない。チクチクと肌を突き刺すような痛みが何度もやってくる。それでも奪われることのない肌の下にある勇気や愛の姿勢を、確かにここに描いていある。

彼らはきっと負けない。

私は、ずーんと心の奥に響いてくるような勇気を受け取った。
飛行機で中途半端に見ちゃったからまた見る
ry01

ry01の感想・評価

3.5
『ムーンライト』のある種のメロウさはこの作品にも地続きにある…けれども、それゆえに現実のハードさは際立ち、何度も目が眩みそうになる。
Yumi

Yumiの感想・評価

3.3
このテーマを扱うんだったら確かにこういった表現にしかならないかも
よかった
けど意外性とか発見はなかったかなぁ
二つの時間軸が、代わる代わる進められていく。

一つは回想。幼馴染みのティッシュとファニーの、恋愛への心情や関係の変化が、ゆっくり丁寧に描かれていく。
見つめ合う表情、躊躇いながら身体を重ねる様子など、拘りを感じる丁寧な表現で、恋愛ものとしては好感が持てる。
が、私は恋愛ものが苦手というか、あまり興味がないのだった。恋愛が丁寧に描かれるが故の退屈。これは個人的嗜好なので仕方ない。

もうひとつが現在、ファニーの巻き込まれた冤罪事件と、身重ながらその解決に奔走するティッシュや家族の様子が語られる。
異なる人物設定であれば、クソ警官の不正で済まされそうな話だが、二人が黒人である事で、局面が深刻化している。黒人である為だけに受ける謂われなき差別、侮蔑、不当な扱いへの苦しみが、時に現実の映像を交えて訴えかけられる。
こちらの描き方が少々中途半端。恐らく重くなり過ぎない表現ラインを探ったものと思われるが、恋愛ものの側面に食われぎみだし、語られずスルーされた要素も多い。ダニエルはどうなった、弁護士の奮闘の詳細は?
また、二人の父親の「白人が俺達の財産を盗んだんだ、俺たちにも出来るさ」発言からの、商品の窃盗横流しなど、どうしようもない現実と辛苦を訴えたいのは解るが、被害者側の意識に寄りすぎて些かバランスに疑問を覚える部分も…。まあ、受け取る側によって感情の変わるデリケートな問題とは思うが…。
黒人である二人に好意的な黒人以外の面々の殆どが、ユダヤ人など結局マイノリティ側であるのも、差別問題の根の深さを感じる。黒人問題で描かれる善人な白人は、度々批判的な指摘を受ける。繰り返し取り上げられる黒人差別だが、とりわけ扱いの難しいテーマでもあるよなぁ。

画の撮り方、色合い、暗さと光の美しさなどはとてもお洒落で美しい。
それだけに、お洒落で大衆に受け入れられ易い恋愛ものに、アカデミー受けする黒人問題を盛り込みました、というようなむず痒さを感じるのは、ちょっと意地の悪い邪推かな。

二本立てで、「マイ・ブックショップ」と立て続けで、人間の悪意と不正の横行する現実を見せつけられたので、大分がっかりしょんぼりしてしまった。
無邪気に逞しく育つ子供と、不正は正せなくとも心は屈しないぞ、と立ち直ったファニーの生気ある表情が、唯一の僅かな救いだろうか。
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