TOT

スリー・ビルボードのTOTのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.5
町を揺るがす突発的で悲しい出来事、それでもそこで生きる人たち。
善は悪になり、怒りも憎しみも持続できない。笑い、情けなく、許そうと許されようとして、斑らに揺れ動く人たち。
砕かれてバラバラのピースが強烈に輝き、驚くべき絵を見せる。
予想と違うカーブを描く映画の魔法みたいなシーンの数々、わからないことと変化の肯定に希望をのぞかせるラストがいい。
母と父と息子、それぞれの世界を変えた看板が、現実とも既存の物語とも離れたどこかに連れて行ってくれる。
絶対に残る悔いと恨みを抱え、張り詰めて息もできない苦しい日々に小さな空気穴を開けてくれるような映画だった。
フランシス・マクドーマンドは圧倒的で、サム・ロックウェルもとんでもない名演。
対峙するウディ・ハレルソンやケイレブ・ランドリー・ジョーンズも。
アカデミー賞はじめ各映画賞は主演助演だけでなくアンサンブル部門を常設して、この役者陣を褒め称えてほしい。
ああ、面白かった。