つぐみ

スリー・ビルボードのつぐみのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.6
よく香りの移り変わりを「トップノートはフローラル、ミドルノートはウッディ、ラストノートはムスク」とかいうけど、序盤から中盤、そして終盤で全く違う毛色を放ちながらもものすごい完成度とインテンションでぶち抜いていった。
あと20分あったらまたそれはそれで全く違うドラマになったんだろうけど、2時間弱に収める采配は、積んでるエンジンが「戦争に勝つ国」のそれで、かといって力技でねじ伏せるわけでもない繊細で丁寧なプロの仕事。
いちいち邦画を貶めたくないけどこんなの出されたら絶対勝てないね。

「評決のとき」「スポットライト」のような骨太な社会派かと見せかけておいて、おどろおどろしい復讐劇もあり、ふっと力の抜けた洒脱さも垣間見せて膝から崩れ落ちかけた。なんちゅうフュージョン!!

ミルドレッドの元亭主の今カノが「ゴーンガール」のボインちゃんを彷彿させて、あの時は「ミズーリ州にこんなかわい子ちゃんおるんかよ〜」と思ってたけど、ミズーリ顔なのかも知れん。
あとやっぱりウディ・ハレルソンは肉付きがエロくて最高…好き…

※序盤、ホモフォビアを意図する描写で「それはワイオミングの話だろ」みたいなことを言ってたのはもちろん「ブロークバックマウンテン」のことだよね?
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