なんと表現したらいいのだろう。
とにかく不思議な作品だ。
想いが噛み合わない。
様々な想いが複雑に交錯する。
それぞれが考えていない方向で。
誰も得をしない。
喜ぶものは誰もいない。
何も解決しない。
誰も救われない。
すれ違い。
絡み合い。
離れていく。
そして、最後に初めて、共に進む。
間違った方向に。
ほんの少しの微笑みとともに。
悲劇?
いや、喜劇だろう。
フランシス・マクドーマンド。
ほぼ口しか動かさない迫力。
突き進む強さの中に垣間見る弱さ。
凄まじかった。
サム・ロックウェル。
弱さの中に芽生えた強さ。
不安定な正義。
稀有な演技を見せた。
ウディ・ハレルソン。
死にゆく者の寂しさと愛情。
そして、少しのユーモアを加え退場。
こちらも稀有な表現力だった。
ふと。
この映画のテーマは、「優しさ」なのかもしれないと思った。
ストローの向きって、大事だな。