tetsu3

スリー・ビルボードのtetsu3のレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
なんと表現したらいいのだろう。
とにかく不思議な作品だ。

想いが噛み合わない。
様々な想いが複雑に交錯する。
それぞれが考えていない方向で。
誰も得をしない。
喜ぶものは誰もいない。

何も解決しない。
誰も救われない。

すれ違い。
絡み合い。
離れていく。

そして、最後に初めて、共に進む。
間違った方向に。
ほんの少しの微笑みとともに。

悲劇?
いや、喜劇だろう。

フランシス・マクドーマンド。
ほぼ口しか動かさない迫力。
突き進む強さの中に垣間見る弱さ。
凄まじかった。

サム・ロックウェル。
弱さの中に芽生えた強さ。
不安定な正義。
稀有な演技を見せた。

ウディ・ハレルソン。
死にゆく者の寂しさと愛情。
そして、少しのユーモアを加え退場。
こちらも稀有な表現力だった。

ふと。
この映画のテーマは、「優しさ」なのかもしれないと思った。

ストローの向きって、大事だな。
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