シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

スリー・ビルボードのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.2
観ないと損するレベルの傑作。脚本もよく練れてるし、俳優も巧みです。

娘を強姦犯に殺された母、ミルドレッド。
未だ犯人検挙に至らぬ警察の怠慢を告発する3つの立て看板を建てるが…賛否を巡って小さな街に波紋が生まれる。

『あの頃、ペニー・レインと』『ムーンライズ・キングダム』などでも頑固な母親役を演じていたフランシス・マクドーマンドの母親は町の住人たちに看板の撤去を迫られても、姿勢がぶれない(その頑なさが常に正しいことだとは限らない)
かたや、彼女に対するウディ・ハレルソンの警察署長、サム・ロックウェルのレイシストマザコン警官は、それぞれに深みがあって、ドラマが生まれる。人間を単純な見方で断罪することを戒められる。

脚本が一筋縄な造りではなく、予想を越えてくる感じで、え?まさかそうなるの?という展開の変容もまた面白い。ラストシーンで、二人の受け答えにある種の安堵と希望を感じさせられる。でも、二人が引き返すかは分からない。そんな二人のロードムービー編も観てみたいと思った。