サラリーマン岡崎

スリー・ビルボードのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.8
文化祭とか、町の祭りとか、そういうものの盛り上がりと同じ。
盛り上がりというと不謹慎かもしれないけど、
「パトリオット・デイ」の様に、
町人が1つの出来事でひとつになっていく、
それも最初は敵対していた者たちがひとつになっていくそれは、
少し喧嘩もしながらも、一緒にひとつの企画を作っていった文化祭をつくっていく感情の揺れに似ていた。

ミルドレッドと警察の対立は
どちらが悪いというわけではない。
悪いのは彼女の娘を殺したレイプ犯。
でも、お互いの立場でそのことは盲目になりがち。
それは、町の住人やマスコミだって。

そこで、大切なのは「愛」でその人を包むこと。
ウィロビー署長の行動がまさにそれ。
奥さんに対しても、ミルドレッドに対しても、ディクソンに対しても、
彼らに送った手紙で、愛の眼差しを向けて伝えている。
それによって、彼らはその盲目から目覚める。

最後にひとつになった彼らが起こす行動に、
切なさと清々しさが重なる
今まで感じたことがない感情を与えてくれる。
すごい作品だぜ。