USK

スリー・ビルボードのUSKのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
5.0
アメリカの闇(病み)が深く根付いたミズーリ州エビングを舞台に三人の芯ある行動に心揺さぶられる。

脚本の巧を体感できる作品だった。何が巧いって予想をさせない展開にも関わらず違和感の無い構成。そして突飛な展開には疑問が付き物だが思い返せば納得の行くシーンが随所に組み込まれている。

主演を務める三人の演技も非常に素晴らしく、憎たらしい台詞を吐き散らかしながらも、優しい表情をチラ見せするフランシスマクドーマンド、自由奔放で暴力的だが純粋さを感じさせるサムロックウェル、深い人情味を体現させたウディハレルソン、三人の人間性を巧く引き立てる脚本も素晴らしいが、ドキュメンタリーを観ているかの如く強烈なキャラクターを自然に演じた彼らの演技力は全員が賞に値する。

余りにも脚本が綿密なため、好きなシーンを語ろうにも、ちょっとした言葉がネタバレになってしまう。レビューを書くにも綿密さを求められる最高傑作。
USK

USK