KUJIRA

スリー・ビルボードのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

3枚の看板広告で、色んな歯車が回り出し、登場人物達が絡み合う。レイプ事件がきっかけなのだが、事件の真相に迫るのでは無く、キャラクター達の心の機微を捉えた作品。
先が読めそうで読めない展開が続く所、俳優陣の演技が素晴らしい。
個人的に合わなかったのは、メインキャラクターの行動に共感ができない所。
歯医者の爪にドリルを貫通させたり、警察署を火炎瓶で襲撃するのは、明らかに一線を越えている。そんな母親が主人公なのだから。状況を踏まえても、肩入れは出来ない。
もう1人のメインキャラが、人種差別主義の粗暴なマザコン警官。平気で人を殴り、窓から放り投げたりするクセに気は小さい。こいつにも感情移入不可。
署長は良い味出してたが、急に拳銃自殺するのは違和感を感じる。死後に各人に宛てた手紙が心を動かす流れなのだが、マザコン警官の改心振りに戸惑う。放火で焼けた署内から捜査資料を持ち出したり、レイプ犯っぽい奴の皮膚を引っ掻いてボコボコにされながらもDNAをゲットしたり。最後には放火女とレイプ犯もどきを殺しに行くとこで終わる。
警官が火傷を負って入院すると隣のベッドには、自分が窓から放り投げた男が。動揺を見せつつ、男がオレンジジュースを差し出すシーンは心が揺れる。
最後のシーンで、警察署を放火したことを告白された元警官が、「あんた以外に誰がいる」と言ったのが印象的だった。
しかし、あのレイプ犯もどきは、何だったんだろう。DNAもアリバイもシロだと言うオチだが、雑貨屋に乗り込んできた奴だよね。何がしたかったんだ。
悪い意味で、観てる人の意表を突こうとし過ぎと感じるシーンが多数あった。
アビー コーニッシュが良い。
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