スリー・ビルボードのじょのネタバレレビュー・内容・結末

復讐劇かと思いきや、人と人の心が触れ合う和解劇？だったのがすごくよかった。

まず、ミルドレッド→憎しみを露わにする彼女の姿は見ていて痛々しくもあるけど、ウィロビーの病状を気遣ったり、ディクソン(改心後)と話していたりするときにふと見せる彼女の警戒を解いた(ちょい弱そうだけど、人間らしくもある)表情が印象的。喜怒哀楽をこんなにもうまく表現できるものなのだと感心した。怒と哀が強めだったけど。

ウィロビー→この人がいなかったらこの物語は何の意味も持たない。死の間際にいて、こんなにも周りをきちんと見て冷静に判断をし、人のことを思いやれるできた人間がいるのだなあ。この人がいなかったらミルドレッドも途中で抗議活動を辞めていたかもしれないし、ディクソンは改心もしなかった。人の本質を見抜いていい方向に導くことができる人。栄誉賞与えていいレベル。

ディクソン→途中まで、何だこのやばいやつは。差別意識も偏見の意識も、暴力に走るところも、理不尽な言い分を主張するところも、いい年してママと実家暮らしなところも最悪だな、と思っていたけど(観客全員同意してくれると思う)、大逆転劇である。やっぱり完全に悪い人間っていないのかな、と少し希望を与えてくれる。ウィロビーが先輩で本当に良かったな。

最後、最高の終わり方だったと思う。あの二人の結託と言うか、和解というか。結局「憎しみは何も生まない。苦しくても現実を受け入れる。和解。前に進む。」なのかな～

ちょいちょい入るシュールなコメディ要素が息抜きになって良かった。