ふたば三十郎

スリー・ビルボードのふたば三十郎のネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

結局、事件は解決せずに映画は終わる。
だが、それがどうした。

アカデミー賞ノミネートと評判の高さゆえ事前情報はシャットアウト。
で、公式サイトは後から見たが、“クライムサスペンス”って、ちーがーうーだーろー!このハ○!

残酷なドラマであり、究極のコメディであり、それでも人生は続くっていうロードムービーだろうが⁉︎

しつこいくらい親切に「3枚の看板」って繰り返し強調されたら、この3人ねってバカでも分かるくらい、3人の登場人物にスポットを当てていく。
最初は「看板に偽り無し」のごとく「娘を想う母親」「ナチュラル・ボーン・キラーな警察署長」「ファッキンニガーのクズ警官」だったのが、徐々にその看板の裏側を描き、あ、これは犯人捜しの映画じゃないんだって気付くと同時に、ぐいぐい物語に引き込まれていく。
で、ラストのぶった斬り感ー。

何よりあそこで終わるのがイイネ!
久々にエンドロールで物語の続きを考え、振り返り、帰宅するとさらに深く考えさせられた。

例えば、あの新署長の“正義”の看板にも裏側があれば、それは“取引する政治家”だったり“出世する公務員”だったりとか。じゃあラストの2人は正解なのかとか。
いや、人を殺すのに正解はないけど、いずれにせよ看板を立てた行動と同じく、賛否あるのが人間だなって。

結局、人間を一面だけで論じるのでなく、でも肯定的に描くってのが何より良かった。
だからこそ事件が解決しなくとも納得できる気持ち良さが残る。

マイナス点はあざとすぎる演出か。
セリフをもう半分にしろとは言わないが、少なくとも「これはこうですよ」と解説するようなセリフはいらない。

兎にも角にも、フランシス・マクドーマンドはコーエンの嫁以上に今でもダークマンの彼女のイメージだが、何やっても上手すぎでしょ、この人。
アカデミー主演女優賞ノミネートは当然、あとウッディ・ハレルソンとサム・ロックウェルも助演男優賞ノミネートって、アカデミー賞の当日が楽しみだ。
☆☆☆★★★