JunjiKamatsuka

スリー・ビルボードのJunjiKamatsukaのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
5.0
登場人物達の感情図を余すことなく含んだ物語がものすごい圧力でゆっくりゆっくり観るものに押し寄せてきます。
登場人物達それぞれが大切にしてるポリシーや守ってる物、日々移ろう感情の変化とその変化のスピードまでがこれでもかこれでもかと言わんばかりに細かな台詞のやり取りや行動、カメラワークでもって過不足なく、いや、時に過剰なほど観る者の脳に等倍のスピードで物語を登場人物の人数分移植してきます。
狂気の丁寧さです。

結果、観る者は感情移入どころかその場にいて正負の感情を共有するような感覚に落ち入ります。

登場人物達はそれぞれ個人で、抱えてる事情も性格も当然ばらばらなのですが、狭い街に長く暮らしてる者同士でのどうしようもない共通性も見えてきます。
それは最低限の倫理観であったり、自分たちが暮らす環境への思いであったり、飲みに行く店であったり。
いがみ合ってても結局結託してしまう共同体のような…


名作を確信させてくれる冒頭シーンの美しい景色から物語は始まります。
2018にしてまだ映画というジャンルに伸び代があったのか!
アメリカ映画史に間違いなくくさびを打ったな。
兎に角衝撃がすごかった。

思考停止してしまう。