Nao1996

スリー・ビルボードのNao1996のレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
アカデミー主演女優賞の演技、圧巻だ。弱さも勿論あるが、決して負けない強い女性を男顔負けの、勇猛な演技で観客に強く印象付けた。殺された娘の仇討ちに躍起になる母が起こした行動、警察署長に降りかかる災難と悲劇、そしてまた1人の警官の心の変化、全てが繋がり複雑な人間の心模様が浮かび上がる。この映画、署長の遺書から「赦し」という人間的テーマが浮かぶ。レッド、ディクソン、ミルドレッドは皆、誰かへの怒りを必ず抑えていく。仕返しは更なる仕返ししか生まない血に染まる鎖のようなものなのだ。そしてラストが象徴的だろう。『Zodiac』同様、はっきりしないのにこの爽快感、最初は誰も応援できないのに、最後には全員の背中を押したくなる。
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