ま

スリー・ビルボードのまのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

最高に面白かった。
重たい話かと思ったらそうでもなく。
問題を問題として問い詰めて何が正しさかを突き詰めていく物語というよりかは、人生みちみちで起こるどうにもならないことに怒りながらもどうにか落とし所をつけてく様な話だった。
音楽とストーリーのテンポ感が凄く好きだった。
何かやりきれない感情に飲み込まれそうになるとぐっと持ち直して次の何かに向かう姿勢が良かった。
或いは何かしてしまってももう一歩目はどうにか踏み止まる姿。
見てる間中登場人物皆鋼のハートすぎんだろと思ってたけど、実際これが人間の強さなのかもしれないとも思った。
ボコボコにされた広告の管理人の男の子がぐるぐる巻きのディクソンに憤りながらもやりきれないなりにオレンジジュースを差し出したのが一つの大きな転機の様に感じられた。
小村を包み込んだ猜疑暴力やり返しの連鎖の一つの融解点のような。
濃すぎる関係性の集落の中大きすぎる事件と腹いせが起こした騒動がもうどうにもならないほどの転がりを見せたかと思ったらふと落ち着くような描写もあって。
周り皆を敵に回したかと思えばふと気付かないとこから救いの手が差し伸べられたり、かと思えば気付かぬうちに相手を傷つけていたり詰りあってたかと思えば歩み寄ったりままならないグレーゾーンというか、あっち転んだりこっち転んだりのシーソー感がどうにもならなさとどうにかなる感を行ったり来たりしてて上手く言葉に纏められないというかもう少しゆっくりかけてじっくり飲み込んでいきたい。
皆の前ではクズ野郎でも家に帰れば誰かの愛しい人で、傷ついた姿をドアに縋り付いてまで泣く人もいれば、誰も寄せ付けまい皆呪ってやるって勢いの母親が今回の騒動の凶器でもある看板の下に可愛らしい花を植えていたり。
三者三様それぞれ色々な見え方見せ方姿があって何だかもう本当に、本当にそこはかとない。
もう、何だか上手く言葉に出来ないけれど、でも、何とかどうにか言いたいことはとにかく、はっ、はっ、はっ、ハレーールソーーーーーン!!!!!
ま