映画を通して何が言いたかったのかはいまいちよく分からなかったんだけど、通して感じたのは人間はそれぞれの事情や理念があり、色んな側面を持っていて型にははめられないという事かな。でもやっぱり主題と考えるといまいちピンとこない。
ひとまずテーマは抜きにしてもとにかく脚本から演出まで変化球のツーシームのように微妙に芯をずらされるというか、なんだかもやもやする事が多くてそこが面白かった。表情だったりセリフの間だったり、映画というより舞台のような映画に感じたら、マクドナー監督は元々劇作家で成功していたと知り納得。
中でもコメディ要素が特に好きで、音楽を使った状況のミスマッチさなんかは腹を抱えて笑ったし、終始過激な行動をとるミルドレッドもおかしかった。
サスペンスでもありコメディでもありドラマでもあり、一筋縄ではいかないなんて言葉では足りないくらい何本も縄がぐちゃぐちゃに絡み合ってるような作品に感じた。娘のレイプ事件が本筋となっていながら、その事件自体より周りの人間の関係性がメインで描かれているのも妙な感じで好き。不思議な映画だ。