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スリー・ビルボードのmaverickのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.6
こういう映画がアカデミー賞などでしっかりと評価されるのがアメリカの凄いところ。汚い言葉上等、暴力的でお世辞にも上品な映画ではない。けれどアメリカという国そのものを皮肉った内容で、テーマはもの凄く深い。もちろんただの暴力的な映画などではなく、心に響く素晴らしい作品である。見た目は上品じゃないけど中身は上質だから。登場人物それぞれがただのキャラクターではなく、ちゃんと生きている人間なんだと感じさせる。娘をなくした母親も悪徳警官も一辺倒で描かれていない。このキャラはこういう人物だからというお決まりのセオリーを、がんがん裏切ってくるような展開が非常に面白かった。それがあざとくもなく、「あぁ人間だなぁ・・」と納得させられる秀逸さ。非常に良く出来た人間ドラマだ。そこに映画としての面白味もしっかり加味されていて、コアな映画ファンもライトな映画好きのどちらも唸らせる作品。アメコミやエンタメ映画ばかりと警鐘を鳴らす批評家も黙らせる1本であろう。アメコミ、エンタメ映画も盛り上がっていて、なおかつこんな単品作品も作れるのだからアメリカの映画業界は素晴らしいですよ。