貧困、人種差別、女性蔑視… 一見すると前時代的な悪徳が根強く残るミズーリの片田舎を舞台に、娘を無残に殺された母が遅々として進まない捜査に業を煮やし、警察へ挑戦状をつきつける。
1番憎いのは犯人のはずなのに、怒りの矛先を警察に向ける母。「怒り」がもたらすパワーの凄まじいことと言ったら。。。娘を失った痛みは本当にお気の毒だけど、母vs警察という全く違う方向へエネルギーが向かう様に、胸がザワつく。
「犯人を捕まえて」のメッセージはどんどん違う方向へ転がって、全編に感じる違和感に息苦しさを感じる。
終わってみればディクソンというキャラクターが代弁している街の雰囲気が印象に残る。
そしてフランシス・マクドーマンドの熱演と。
被害者家族というところを酌量しても、やりすぎ。彼女の視線、沈黙からすらもほとばしる怒りのエネルギーが凄まじかった。