MitsuhiroTani

スリー・ビルボードのMitsuhiroTaniのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.6
近年、救いようのないホワイトトラッシュ映画が多数制作され、観る者をトランプ政権誕生の経緯にも繋がるアメリカの地方都市の絶望感で包んだ。本作もまたそうした流れをくむ作品として観た私は、絶望の闇ではなく、希望の光がこぼれ落ちる魅力を感じ驚いた。
娘を失い、家族関係も崩壊した主人公ミルドレッド。彼女にとっての唯一の希望、そして生きるための理由が犯人の逮捕。彼女のとった行動が小さな街に波風を立て、そこに生きる人々の人生に波風を立て、お互いを刺激しあい、何かが変わっていく。
本作の魅力は人。署長、警官、広告屋。主人公を取り巻く人々がみな、普通の魅力に溢れていること。人間には良いところも、悪いところもあり、様々な何かを抱えて生きている。当たり前といえば当たり前のこと。だが、僕らの知らないアメリカの小さな地方都市を舞台にも、そうしたドラマあることを改めて知り、満足した。
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