ペンソー

スリー・ビルボードのペンソーのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
アカデミー賞7ノミネート、主演女優賞 / 助演男優賞を獲得した作品。

娘を殺された主人公と、その事件で何の手がかりも掴めない地元警察の攻防からストーリーが展開していく。

この作品には悪役というものが存在しない。
物語上、悪役として登場した警察も悪役ではなく、ある意味で主役のポジションであり、それぞれの正義、悪が視点によって変わる。
様々な登場人物それぞれの視点から物語が展開していき、絶対的な正義、悪を存在させない展開が面白かった。

2時間弱の尺があっという間に過ぎ去るほど引き込まれ、最後まで目が離せなかった。
人種差別や性差別、そのほか現代のアメリカが抱える問題を的確に指摘した作品がゆえにアカデミー賞でも話題になった作品なのかなぁと思いました。

署長の「勝ち負けの問題ではない」という言葉
がこの物語の根幹だと感じた。
"マンチェスターバイザシー"のような、一筋縄ではいかない人間関係、それぞれの思惑が交錯しすれ違う、リアルで淡々とした物語。
かなり引き込まれることは間違いありません。

相変わらずのW・ハレルソンの独特な喋り方、F・マクドーマンドとS・ロックウェルの素晴らしい演技も良かったです。
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