Omake

スリー・ビルボードのOmakeのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
合衆国南部の田舎町で7ヶ月前に起こった若い女性のレイプ殺人事件。被害者の母親が未だになんの手がかりも進展もない事件に業を煮やして町外れの看板にメッセージ広告を出すところから物語は始まる。

広告のメッセージは無関心と無気力と差別と偏見が支配する何も起こらない町の住民の心にじわじわと浸透していって、様々なところで反応やリアクションが起き始める。

少しずつ明らかになってくる住民の過去や人間関係。隠された本音や暴力。無念、後悔。

物語の推移と人の心の推移に見られる緊張感。南部特有の人種差別をイメージさせる映像から観客は物語の展開に固唾を飲んでしまう。

復讐劇や事件の解決を描いた作品ではない。広告のメッセージが人に与える影響とその物語の展開を楽しむものといったほうがよいかも。死を受け入れる過程、過ちを受け入れる過程、ゆるしの過程が描かれていると思った。

広告を打つというアイディアと役者の演技がとにかく素晴らしい。
Omake

Omake