アメリカの田舎町の閉鎖された社会で起きる事件。サスペンスミステリーかと思ったら違った。これは赦しと再生の映画じゃないじゃろかい。
警察所長は主人公の女性に癌で長くないと告げる。知っていると彼女は答える。この町の住人全員が知っていると。つまりはそういう社会だ。
とにかく脚本がいちいち素晴らしい、気がつけば重要人物はかなり多いのに、自然と感情移入出来るようになっている。こいつ誰だっけという事が全く無い。中心人物は三人だが、その他の人物にも心の琴線に触れるような台詞のシーンが随所にある。あれとかこれとか書きたくなる。観てる途中【クラッシュ】を思い出した。
広告屋、逃げた旦那の恋人、姉を失った息子、友人の黒人女性などの脇役も上手く活かされている。ビリヤードの上手な小さな男がまさか後半ストーリーに大きく絡んでくるとは思わなかった。
滅多に車も通らない田舎道に立った3つの広告看板。ミルドレッドは真っ直ぐ前を見てハンドルを握る。結末はわからないけど、愛と赦しの映画だとすれば...。