こういう人間の本質を
深く描き出す作品に出会うと、
これぞ映画の醍醐味!
と歓喜する。
娘を殺された母親の復讐劇…
かと思っていたら予想外の展開。
とことん肩透かしされ、
思いもよらない方向に話は進む。
でもそれが人間。それが人生。
脚本の素晴らしさ。
全方向に怒りをまき散らし、
暴力も辞さない漢気溢れる一匹狼な母さん、
フランシス・マクドーマンドの格好良さ…
好きやわぁ。
美人なだけが女優やあらへん!
という矜恃と演技力。
アホ丸出しのボンクラ警察官、
サム・ロックウェルも良かった。
怒りと赦し、
悲しみと希望。
相反するこの感情に、
どう折り合いをつけるのか。
他人と衝突しながらも、
それを解いてくれるのもまた、
人間だったりする。
そんなニクいラストだった。