Mina

スリー・ビルボードのMinaのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

購読してる映画雑誌で2018年ベスト映画に挙げてる方が多くて遂に鑑賞。観ていて楽しい映画ではない。が、ストーリー以上のものを受け取れる映画だった。

主演女優賞と助演男優賞でオスカーを獲った二人が演じる役は本当に一筋縄でいかない難しい役なはずなのに、あそこまで人間を人間らしく複雑に表現しきる演技力ってすごい。特にサム・ロックウェルは演技で観客を翻弄しまくり。観客の心証がコロッと変わるだろう瞬間は自然にできるものじゃない。本当に名演だったし、名脚本。

ミズーリ州という場所や、警官による黒人への暴力、、、などなどもっとアメリカについての理解を深めていきたいと思った。そしてただ社会や政治を勉強するだけでなく、映画という文化の側面からそういうテーマを扱えるのって幸せだ、ずっとそうやって映画を観ていきたいなと思った。あと一年の学生生活が終わればただの観客に戻ってしまうのかな、と思うと寂しくそわそわしてしまう映画だった。

あとミルドレッドとディクソンの関係において脱構築的読解ってできるのかな。それとも映画の結末から二人が非対立であるのが描写されてる以上、その読解に意味はなくなるのかな。そもそも脱構築の使い方あってんのかな。文化批評ってムズカシイ。
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