maki

スリー・ビルボードのmakiのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.5
非常に重厚で見応えのある人間ドラマ。
脚本も先が読めない展開で見入ってしまった。

とにかく人物描写が素晴らしくて、一言では語れない人間という生き物の多面的な部分、背景もしっかり描かれていて、様々な感情の機微を役者陣が熱演していて引き込まれた。
主役の娘を殺された母親だけでなく、その他人物の置かれている立場だったり抱える事情、心情を思うと、それぞれの決断や言動には考えさせられるものがあった。

終わり方には賛否両論あるようだけど、これは事件の解決を目指すサスペンスではなく、不条理な現実に立ち向かう人間ドラマだと思うので、心定まらないまま行動を起こすラストは、最後まで人間らしくて私は納得のいくものだった。

役者陣は皆素晴らしかったけど、私は激情型の警官を演じたサム・ロックウェルの芝居に胸を打たれました。
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