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スリー・ビルボードのhzr2525のネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

母ちゃん無茶苦茶だな…。
フランシス・マクドーマンド演じる母親は全然笑わない。
観ている私たちは、マジかよ…と思いながら思わず笑ってしまう。
ミズーリの田舎町の閉鎖感とも相まって、どうしようもないことが繰り返される中で、母ちゃんは全然諦めない。
観ている私たちは、マジかよ…と思いながら本当に冷や冷やする。

説明し過ぎない、淡々と進む日常が切り取られる。
普通に考えると酷いことだらけなのに、笑える状況が次から次へと展開していく。
母であるとか、警察署長だとか、警察官だとか、社会的な立場はオール無視。みんなやりたい放題である。

最近「グリーンマイル」を観なおしてサム・ロックウェルがあんまりにも気狂いだったので、「スリー・ビルボード」はどんなんだろうと思って鑑賞。
お行儀の悪さは天下一品で、馬鹿さ加減が群を抜いて際立つキャラだった。
だから、後半になるとマジかよ…と思わず呟いてしまう。

最後に、二人とも死んだ人たちに愛を伝えきれなかったことを後悔していて、やり遂げれば何か見えるんじゃないかと思いながら、銃を手にして出かけていく。

目的を遂げようが遂げまいが、旅立つ彼らは軽やかで、満足げに見えた。

オレンジジュースを渡すシーンと、デートのつもりだったのに!のレストランのシーンがとても好き。

人間くさい映画に乾杯。
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