サッカーと映画観るのがすき

スリー・ビルボードのサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
娘をレイプされた上に殺害され、プッツンいってしまった母親の復讐と逆恨みが周囲を巻き込んで…のようなクライム・サスペンスではある。

が、観てみるとちょっと違和感をカンジる。
この映画の舞台は一般的日本人が知っているアメリカとはなんか違うのだ。
人々は暴力的で侮蔑的で、一言でいうと民度がすごく低い。警察官ですらほぼチンピラ同然だ。
南部の田舎町ってのは、いまだにこんな民度なのか…!?ちょっと驚いた。ちなみに舞台となっているミズーリ州はトランプの支持基盤らしい。なるほどな。

FILMAGAでのレビューで、この作品が評価された本質は、どーやらアメリカの現実、格差・分断といった社会的闇にフォーカスしていることにあったことを知った。
そう理解して観てみると、主人公である母親だけが異端なのではなく、この街の人々はどいつもこいつもズレてることに気づく。唯一理性的でまともだったのは警察署長さんだが、その彼さえも…あらら、である。
そんな街の連中を巻き込んだ怒りの連鎖はどんな結果を招き、そこから彼らがそれぞれ何を学び、行動はどう変化していくのか。

そこに何を感じましたか?希望や光はみえましたか?
エンディングでは、そんな問いかけをされているようだ。
おりしもコロナ感染危機で生活・経済のカタチが変わろうとしている。アメリカはどーなっていくんだろうねぇ。