雨丘もびり

スリー・ビルボードの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
【やつあたり地獄でもらったオレンジジュース】

つい笑っちゃうけどぜんぜん笑えないブラックコメディ。
「ちょオマェ!(^"^#;)」とひっぱたきたいおバカさんたちが、この暴力と無関心がまかり通る世界をつくった元凶だよ、という皮肉がぴりりと辛い。

そんな怠けモノの人々を、ズバズバ言い負かしてゆく主人公ミルドレッドお母さんに惚れる!!。
激しい広告の応酬で、ホンネや手の内は絶対に表出させない。
この映画、口げんかの作劇がおそろしく巧い。ていうか恐い。
スリルが凄まじくてチビりそうだったもん私(T△T)。

闘うヒロインがイイ!と曰うベッソン・ファンは本作も盛大に褒めてますよね?
あ、口ごもった奴の股ぁ蹴り上げっかんねw。
強さとはメンドクサさだ!と看破した監督のスルドさに、引き笑いで拍手を送る私です(^"^)


”世の中、放ったらかしなエピソードだらけ”
そんな世界の可笑しみや慈しみを、雨ざらしの看板三脚に象徴させた画作りがミゴトだわ。
手紙一通、ストローの向き次第でころっと変わっちゃうココロ。そのイイカゲンさが人間の面白さだと言ってみせる、監督の豪胆さに降参!

読後感が独特で、うーん、何に喩えましょうか。。。うふふっ。


好き嫌いは分かれる映画だと思う。
登場人物の性格を決めつけて、自分がライドしやすいキャラを探そうとすると混乱するかも。
人ひとりのグラデーションにどれだけ興味を持てるかに寄る。

.....鹿は蛇足だった気がします(^^;)。
あと、コメカミを撃つと致死率さがるって聞いたけど?と不思議に思ったぶん、☆は4つで。


人は変わらない。世界もそう。
成り行きで変わっちゃうだけ。
そんなものだ。