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スリー・ビルボード2017年製作の映画)

Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

上映日:2018年02月01日

製作国:

上映時間:115分

ジャンル:

4.0

あらすじ

「スリー・ビルボード」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

魂が震える。

約1年ぶりの鑑賞。
後半、例のブログの反証と私なりの考察も1つ書きました。よければそちらもどうぞ。過去最長のレビュー。

“Anger begets greater anger”(怒りは怒りを来す)

3枚の広告看板が発端となって起こる小さな戦争。小さいけれど、れっきとした戦争。互いの正義がぶつかり合い、可笑しくなるほど怒りに満ちた暴力の応酬。自らの過ちに気づいたとき、傷つけた相手に赦されたとき、今度は自分が赦す側になり、その先に見えるのは一筋の光。

私はこの作品のウィットに富んだユーモアが大好き。本当にどうしようもない人たちだけど、どこか可笑しくて、どこか悲しくて、でもやっぱり可笑しくて。道化師が大真面目に悲劇を演じているのを観ているようなそんな不思議な感覚。それぞれが決して最善とは言い難い選択をし続けるのに、最終的にああいう風に着地させたのがすごいし、この作品の下地がかなり重く根深い社会問題というのもすごい。あらゆる要素が絶妙なバランスで成り立っている作品。ペネロープ本当に好き。

映画史上最も感動的なオレンジジュース🍊


最近巷で話題のおかえもん氏の深読みブログを本当にざーーーっと(ほぼ最初と最後だけ)ですが読みました。この騒動の何がヤバいって、あのブログをそのまま鵜呑みにしている方がかなり多いっていうところですよね。ちょっと怖いので、わかりやすいところを反証してみました。

まず、氏が「この映画最大のトリック」と称している、「3枚の広告看板がウィロビー署長真犯人説の根拠」という点。それに関連して、ミズーリ州の州旗に記された言葉について氏は、

『これを分割(DIVIDED)して読めば、我々はメッセージを見落とす(WE FALL)ということ…そして連結(UNITED)して読めば、我々はメッセージを立ち上げる(WE STAND)ことが出来るということ…』

とおっしゃっていますが、”fall” に「見落とす」なんてニュアンスは全くありません。日本人なら見「落とす」でなんとなく結び付けられるかもしれませんが、外国の方はまず無理です。それに、そもそも「メッセージを立ち上げる」ってなんでしょうか。(笑)もちろん、そのような意味も”stand”にはありません。それっぽく言われるとそれっぽく聞こえますが、その実ありもしない英語とありもしない日本語を作り上げているのです。

また、この作品の日本版ポスターについて氏は、

『他国版では裏側にして見せないようにした看板の文字を「左から読みやすいように」並べろと…しかも「なぜウィロビー署長は?」を、いかにもアヤシイように1枚だけボカシておけば、日本人も気付くに違いないと思ったのに…』

とおっしゃっていますが、煙で見えなくなっているのは”RAPED WHILE DYING”と書かれた看板です。(笑)それに、隠されている理由は内容が過激だから。ブログに載っていた実際のポスターの画像は低画質で確認しづらいのですが、たまたまでしょうか、わざとでしょうか。あと、仮に氏の説が正しければ”AND STILL NO ARRESTS?”の”AND”はわざわざ入れないでしょうね。入れるだけで反対から読むと意味が通らなくなりますから(ここでの”and”の意味は、非難しているニュアンスの「それなのに」が一番近いと思います)。

面倒くさいのでこれ以上の反証はしませんが、2ページ目の「最大のトリック」でこれなので、あのブログの信憑性には正直疑問符が付きます。

このような決して正確とは言えない考察をキャラクターたちに語らせることで、個人的な意見をあたかも客観的な事実のように述べるという氏の書き方にも問題はありますが、あの考察を読んで「この映画は凄い!監督は天才!」となるのは危険すぎると感じます。英語の飛躍した意訳(もはや誤訳)に聖書の引用など、日本人にはあまり馴染みがないので仕方ないのかもしれませんが、監督が公式に言及したわけでもない1鑑賞者の真犯人考察をある種の「正解」として答え合わせをするために映画を観る。その「正解」に気づけなかった自分に落胆すらする。感性が死ぬ瞬間です。

ただ、彼の知識量(調べる努力?)は凄いです。知識があればあるほど映画は楽しめるって本当にそうですからね。信憑性が高そうな部分だけを考察していくスタイルだったら、本当にいいブログになったと思います。憑依させたらアカン。



ー「鳥はガンになるの?」の考察ー



とはいえ、たしかに意味深なカットなどが多いこの作品。私が特に引っかかったのは、車中でのミルドレッドとロビーの会話。氏のブログでも考察されていなかったので考察してみました。

ロ”Do birds get cancer?”
ミ”Huh?”
ロ”Birds. Do they get cancer?”
ミ”I don’t know. Dogs do.”
ロ”Yeah, well, I wasn’t talking about dogs, was I?”

この会話です。唐突に「鳥はガンになるの?」と言いだしたので疑問に思った方も多いかと思います。まずは、最後のセリフでロビーがかなり苛立っていることからも、


ロビーの望み(鳥の話・アンジェラの死を思い出させないでほしい)よりも、自分の主張(犬の話・過激な広告看板を出す)をするミルドレッド。

というように、この時点での二人の心のすれ違いを表しているという解釈が話の流れからしても自然だと思います。ただあまりにも意味深だったので少し調べたところ、”bird”にはイギリスのスラングで「女の子や若い女性」という意味があるらしく、同じように”dog”にもスラングで「卑劣なやつ(ミルドレッドにとっての警察官?)や女癖の悪い男、ヤリチン」という意味があるらしいのです。また、”cancer”には日本語と同じように「社会悪としてのガン」という比喩的な意味もあるそうです。そこから、この作品の題材でもある「レイプなどの性犯罪」に対してのメッセージとして、


ロ「女の子はガン(社会悪)になるの?(=被害者の女の子が悪いの?)」
ミ「さあね。(エビング)警察とレイプ犯はなるよ(=悪いとしたら奴らだよ)」

という解釈もできるのではないかと思いました。日本でも被害者の女性を責めるセカンドレイプが多々起きますが、それは世界共通の問題です。そして、エビング警察署のずさんな体制にミルドレッドは特に怒っています。その象徴として、警察署の責任者であるウィロビー署長がガンを患っているのかもしれません。
※あくまで個人的な考察です。

やってみてわかりましたが、この作品の考察ってやっぱり楽しいです。この作品を観た人が各々説を持ち寄って話し合いとかしたらめちゃくちゃ楽しいと思います。ただ、憑依させたらアカン。
mike

mikeの感想・評価

3.8
1番悪いのは娘をレイプした犯人だよね…
誰も悪くないのに…って思いながら見てました

重めの内容だったけど
母親の行動がヤバすぎてそこまでやるのかと驚きました👀
母親以外の登場人物も演技がすごくて強烈です

作中に
怒りは更なる怒りを生む
ってあったけどまさにこの言葉がこの映画を表しているなと
haru

haruの感想・評価

3.8
オレンジジュースに癒された
クライムサスペンスって言うからめっちゃシリアスなんかと思ったらめっちゃ笑えるし思ってたのと全然違かった…
登場人物はヤバイ奴ばかり。
いくら娘が強姦殺害されたとは言えとち狂いすぎやろと思いつつ、やはりここまでなってしまうんだなと。面白かった!
皆んな演技べらぼうに上手いからまんまと登場人物各々に抱く感情振り回された〜。ルーカス・ヘッジズ、作品で見かける度あっ!よく見るけれど何々出てたっけ!ってなるので作品の空気感に馴染むのが達者過ぎるというか良い役者さんだなと思いました。
まあとにもかくにもフランシス・マクドーマンドの存在感!
そしてサム・ロックウェルも素晴らしい!
いやー、凄く良かった。笑って泣いてた。
事件とその解決のグロいサスペンスと思い込んで映画館に足を運んだが、全く違った。そういう思い込みもあってか予想しない展開の連続で、人間の悪いところが滲み出た面白い作品だった。まずはミルドレッドの怒りの矛先…ズレてるもん。でもわかるよ、わかる。音楽の使い方も希望の持たせ方もズレてる…最高。監督恐るべし。俳優も素晴らしかった。

次絶対言いますのタイミングでの"Thank you"。わかってるのにずっしりきたなー。
こんなに素晴らしい作品を見逃すところだった。今まで観てなかったのは、例えば「敢えて孤独な戦いを挑んだ母親の、娘への強い想いとは?」「何故これほどまで犯人逮捕に執着するのか?」などのコピーが原因。は?そんなの、娘を酷い形で奪われたら、当たり前やん!バッカじゃない!と思ってた。
 あらすじの「母親と警察の諍いが思わぬ事態を巻き起こす」という文言も何だか。そんな、こじらせ母と分からずや警察のお話なら観たくないと思ってた。
 ところが!全く違っていた。これ以上ないくらい、母も警察も、真っ当な人間だった。紆余曲折しながらも、ぶれることなく地に足が着いた演出の数々に感服する。
 耐えがたいほどの、それこそ、死ぬより辛いと思うほどの苦痛を味わい、何かを失った者たちだけが辿り着く境地。(この過程の一つに、別の軸として、署長の問題提起を入れたのは本当に見事)
 人の心の再生、内側からの蘇生に、細胞レベルまでフォーカスした作品だと思う。
wasp松

wasp松の感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

娘を殺され、
捜査が進んで
いない事に
批判も込めて、
娘が殺された
道路沿いに三つの看板
(スリービルボード)

これで警察が動き
犯人探しの話が、
始まる・・・・

アレ?
えーと犯人探しが
始まる・・・
アレまだ??

そういう主題の話では
なかった!!

ヒューマンドラマ
意思の強い
母、とてつもなく強く
我が強すぎて
孤立、
それでも真っ直ぐな気持ちに
ガンで死んで行った署長の
ココロを動かし
その署長をしたてっていた
おバカ部下も署長の遺言と
自分がボコにした広告展の
お兄ちゃんに優しくされ
影響して人探しに
協力してくれる
ジョジョラビットでも
最後いい奴だった
サムロックウエル
備忘録ザ・ムーンにも
でてた。


怒りが💢あっても
人を許すのがこの映画の
主題と、思う・・

それぞれの人間模様が
面白かった、
あんなけ意思の、
強い人なら何にでも
なれそう😁
凄い演技力‼️


でもねー
最後は犯人ハッキリ
して欲しいかったな😭
100%良い人間がいる訳もなく、また、100%悪い人間も居るわけもなく。そんな当たり前の事が映画では、しばし忘れられてしまう。
一人の人間の中で、優しさと憎しみが織り成されるのだ。
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