スリー・ビルボードの作品情報・感想・評価

スリー・ビルボード2017年製作の映画)

Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

上映日:2018年02月01日

製作国:

上映時間:115分

ジャンル:

4.0

あらすじ

最愛の娘が殺されて既に数ヶ月が経過したにもかかわらず、犯人が逮捕される気配がないことに憤るミルドレッドは、無能な警察に抗議するために町はずれに3枚の巨大な広告板を設置する。それを不快に思う警察とミルドレッドの間の諍いが、事態を予想外の方向に向かわせる。

「スリー・ビルボード」に投稿された感想・評価

【心がブン回される超重厚ドラマ】
放火や暴行、荒々しく描かれる怒りの感情から、その怒りへの静かな理解、真逆の感情まで、次々と直球で心に飛び込んでくる。心揺さぶられると言うより、心がブン回される映画。

アカデミー賞7部門ノミネート、ゴールデングローブ賞4部門(作品賞・主演女優賞・助演男優賞・脚本賞)受賞作品。
出演は、アカデミー女優『ファーゴ』のフランシス・マクドーマンド、『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』のウディ・ハレルソン、『コンフェッション』のサム・ロックウェル、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジズ。
監督・脚本は『シックス・シューター』でアカデミー賞短編賞受賞のマーティン・マクドナー。音楽は、『キャロル』のカーター・バーウェル。

何から書いていいのか。。
心に何度も突き刺さる、人間の感情。怒りや優しさ、悲しみや思いやり、色んな感情が一つ一つ、直球で心に飛び込んでくる。スゴイ映画だった。
直接的に描かれてはいなかったけど、テロに対する警笛みたいなものも、この映画は内包していたと思う。「怒りが怒りを来す」何度か登場したこのセリフが象徴的で、ビルボードを発端として、暴行や放火など、怒りが連鎖して行くこの映画の図式はまさにテロとテロ掃討の図式そのもの。そこに、相手の感情を察する、理解して事態が鎮まる描写を挟むことで、今の世界の悲しい図式に対してのメッセージとしているのでは、そんな気がした。
◆以下少しネタバレ◆
この映画の素晴らしいのは、全ての感情が、レイプ殺人事件、そして3枚のビルボードに起因していて、どんな荒々しいものも、静かな優しさも、理解が出来るしスッと入ってくるところ。広告会社を襲撃する警官や、警察署に火をつける主人公など、通常では荒々しすぎて理解に苦しむ行動すら、その感情や理由を察することが出来る。逆に、暴行を受けた広告マンが加害者に対峙しても逆上しなかったり、大火傷を負った警官が加害者を黙認していたり、ありえない許し方をしているのも、尊い描写だと思う。主要な登場人物がレイプ殺人事件を心底憂いている事が時に直接的に、時に間接的に描かれているからこそ、それらの感情がストレートに伝わってくるんだと思う。
個人的には、ちょっとしたシーンだけど、負傷した広告マンが加害者にジュースを差し出すシーンが印象的だった。尋常じゃない傷を負わされても、加害者を許し、理解するに至ったのは、署長の自殺への懺悔や、広告を出した自らの責任があったから。決して強調してはいなかったけど、この映画を象徴する、なんとも響くシーンだったと思う。
何度も心がえぐられるような、重厚な映画でした!
ikumatsu

ikumatsuの感想・評価

4.7
“許す”ということと“乗り越える”ということについて深く考えた作品でした。

母っ子で女性目線からすると辛い題材でしたが、最後の車中のシーンで緊張感の糸が解け、とても余韻が残りました。

登場人物が非日常なほどアクが強かったですが、話が進んでいくうちに弱さや人間味を身近に感じられ良かったです。警察長の行動だけは尊敬ができませんが、それもまたひとつ。
じゅん

じゅんの感想・評価

4.3
深い!!!笑
今までにない見終わった後に不思議な感じになる映画。
ミステリー的な感じで誰が犯人か予想してたけど全然そういうんじゃなかった。
脚本が凄く良かった。
ただ歯医者さんのシーンと窓から投げるシーンはあんなことしてよく捕まらないなって思うw
reo

reoの感想・評価

-
久々にエンディングが納得できない映画と出会った。
その形を無しだとは言わないけど、作品のテイストに合わせた見せ方なのだろうか?作品自体は確かに面白かったし、飽きずに過ごせた濃い2時間だったと言える。ただ、振り上げた拳を降ろす所がない感覚になった。
かなりオススメしたい作品

評価は人それぞれ違うと思うけど、個人的にはラストはあの終わり方で良かったと思う
感想というか、印象が一定に定まらない不思議な映画です。

「ミステリー」も「ドラマ」も当てはまるようで、本作品すべてを表す言葉ではない。

人々の淡々とした人間臭さを描いているようでいて、これはまったく違うと思う。

そもそも人間臭さとはリアリティーのことであるが、本作の登場人物のようなキャラクターを身近に観察したことがあろうか。揃いも揃って、派手な行動だらけである。

その意味で本作はあくまでも娯楽として描かれたものだと言うことがわかるし、そのような感想を抱かせる役者陣の演技が鬼気迫るものであったと言う他無い。

中盤以降の展開の目まぐるしさと画面の派手さは間違いなく我々を飽きさせないための趣向であるが、それにもかかわらずあのラストシーン。

良い意味で邦画のような淡々とした人間ドラマと、先の読めないミステリーが、これほどまでに絶妙なバランスで混ざりあった作品は中々無い。

かなり緻密に計算され作り込まれた脚本とキャラクターに、俳優たちの名演技がまさに命を吹き込み、なんとない心地よさを感じつつも考え込み、それでいてたしかな満足感を得られる素晴らしい作品だった。
みるか

みるかの感想・評価

3.7
展開が全く想像出来ないし、最後までテンポが良くて凄い引き込まれた。
一番グッときたのはオレンジジュースのシーン。自分が弱ってる時とかって人の優しさが余計身に染みるんですよね(T-T)
たくと

たくとの感想・評価

4.2
人間の裏表、それが3枚の看板に表象され、狭い田舎町に混乱を引き起こす。
憎しみの最悪の連鎖から、オレンジジュースを境に、流れが変わっていき、強い確信を持って観終わる。
音楽も示唆的で良い。

今年これまででかなり上位。
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