コマミー

ダンボのコマミーのレビュー・感想・評価

ダンボ(2019年製作の映画)
3.9
【光となった象】

※自分にとっても思い出深い「ダンボ」の実写版ということで、観てみました。↓


小さい頃、私が狂った様に観たディズニー映画があった。「ダンボ」だ。手軽な時間に観れるのもあるが、ダンボの[健気さ]に子供ながら深く脳裏に残る作品だった。[偏見だけ]で左右された生命を、ネズミの[ティモシー]や[カラスたち]に出会い、変えていくのだ。
そんなディズニーの名作を、[ティム・バートン]がどのように実写化するのか、とても気になった。するとなんと、ダンボの物語ではもちろんあるのだが、人間達にも焦点をあてた[家族の物語]だった。

落ちこぼれたサーカス団に生まれたダンボは、戦場で片腕を失った乗馬の天才[ホルト]と、その[子供たち]に委ねられる。物語の始まりと同時に、この[親子の物語]も始まるのだ。母親を失った家族の元に、小さな[光]としてやって来たのが、ダンボだったのだ。私は立場的に考えると、実はアニメーション版の時と[立場が一転]しているように見えた。
  そう、この場合のティモシーの立ち位置は、実はダンボだったのではないか…。

ダンボが誕生した事によって、サーカス団の[運命]がガラッと変わるわけだが、ダンボが飛ぶことによって、物語が動いていき、家族の運命も[良い方向にも悪い方向]にも転じる。ダンボが母親と再開するまで、ダンボが気づかぬうちに[人の心]を動かしていたのだ。中でも、ホルトの心を……ね?

このように、アニメーション版とはまた[観点を変えて]描く事によって、温かくも[現実的な感動]を味わえるのだ。物語のダークな雰囲気をまた違う形で変えたのだ。素晴らしいじゃないか…。

ダンボの気持ちを人間に、ティモシーの気持ちをダンボに与えた、また不思議な実写化になった作品だった……。
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