2022年139本目
渥美清版では辰弥が主軸のストーリーで、金田一は最後の謎解きの解説をするくらいだった。それに対して本作は市川崑監督ということもあってか金田一が主軸で進められている。
キャスティングには、等々力警部役(渥美清版では磯川警部が役名)に加藤武、濃茶の尼役に白石加代子、辰弥の勤務先の上司役に小林昭二と数々の石坂浩二版の金田一作品に出ていた役者が起用されている。しかし、肝心の中身はというと、おどろおどろしさが皆無でトヨエツの金田一が何とも軽く深みに欠けている。
市川崑版の金田一シリーズがあまりに良すぎたのか、同じ市川崑の金田一に期待してしまったのが仇になっている。