ブタブタ

ミステリーロード/欲望の街のブタブタのレビュー・感想・評価

4.0
『ノーカントリー』のコーマック・マッコッシーの作品や『ファーゴ』等の「暗黒のアメリカ神話」に通じる世界観。
『ファーゴ』が雪と青空、白と青なら『ミステリーロード』は朝焼けと荒野のオレンジと黒の世界。
フォロー先様のレビューにある様に詩的な台詞まわしがいい。

マッコッシー作品と言いましたが、思ったのは荒廃した社会や人心、暗雲の様に世界を覆う巨大企業の支配や格差社会に人種差別と、個人的に大好きなジャック・ウォマックの小説に世界に通じる物を感じて、主人公一人称視点による全体像の掴めなさや、独特の台詞まわし、クライマックスの銃撃戦の徹底的にドラマチックな描写を排した冷徹かつ、それがスタイリッシュなまでの一種の様式美みたいになってるところ等、アイヴァン・セン監督はまだミステリーロード二作しか撮ってませんが、ウォマック作品を映画化するならアイヴァン監督にやって欲しいな~等と妄想するのでした。
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