てつこてつ

ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡のてつこてつのレビュー・感想・評価

3.4
Netflixで鑑賞。筆者による実体験の著書の映画化作品。

刺激を求めてボリビアのジャングルの奥部まで入っていってしまうバックパッカーって時点で、自業自得としか思えず、最後まで主人公に共感は出来なかったが、おそらく、ほぼ全編中南米ロケを敢行していると思われ、鬱蒼とした奥深いジャングルや濁流渦巻く川下りの描写などは、とてもリアルで素晴らしい。

特にテンポが良い訳でもないが、中盤以降、主人公が仲間からはぐれてしまい、ただただ一人ぼっちでジャングルを彷徨う描写では、猛獣ジャガーの恐怖、ジャングルに点在する底なし沼、毒を持つ数々の爬虫類や昆虫の恐怖、究極の精神的ストレスから来る幻覚や幻聴等を結構丁寧に描いている。

個人的には、毒々しい真っ赤な蟻の大群、話では良く聞く中南米の淡水魚の体内に潜む寄生虫のシーン、傷だらけで化膿した足の描写は、結構キツかったかな。

ダニエル・ラドグリフは、小柄な点と、あの綺麗すぎる童顔から、他の作品では、どうしてもハリポタのイメージが拭い切れていない感がするけれど、今作では、ぼうぼうの髭面と役柄の為に絞りきった身体での迫真の一人芝居が光っていた。

川辺から見上げた満天の星空と蝶のシーンが幻想的で美しい。
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