オリオンの息子

ガーンジー島の読書会の秘密のオリオンの息子のレビュー・感想・評価

3.7
英国領では無く、英国王室属領のチャンネル諸島。(よくわかりません!)
ガーンジー島も含まれるチャンネル諸島の歴史は、極めて複雑怪奇!
地政学的には、限りなくフランスに近く、住民も大多数はノルマン系フランス人(この意味もよくわかりません!)
ここが第二次大戦中に、ドイツに占領されたのだからややこしい。
昔、ジャック・ヒギンズの小説にこのエピソードがあった気がする。

これらの背景は多くの日本人は知らないはずなのに、勇気を持って公開した配給会社の英断に感謝!
ただし、公開劇場があまりに少ないのは仕方がないか。

目下大活躍のリリージェームスをはじめとして、英国俳優のウィットに富んだ芝居には脱帽。

要するに、細かい背景をよく知らなくても、しっかりとした脚本と確実な演技者、有能な演出家がいれば面白い作品になることを示した典型的な逸品。

チャネル諸島の勇壮な景色を背景とした、主人公のちょっとコミカルな探偵劇には思わず微笑みを。
読書会のメンバーの、キャラが立っているのに感心させられる。

主人公との別れ際に、アダムズがフランス語で挨拶したように見えたのは深読みか?

俄然、興味が湧いてきたので、原作本を探したら絶版とは。