キー坊

ブリグズビー・ベアのキー坊のレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.8
自分の好きなもの、心の支えとなっているものは誰にも奪うことは出来ない
「好き」、「信じる」ことを突き詰めていくことで色んなことが創造される
映画、音楽、漫画、アニメ、絵、機械
そういうものは純粋で無垢な想像の産物

25年間、誘拐されて監禁されていたジェームス
彼に許されていたテレビ番組はブリグズビーベアだけ
後々になってそれも他では放送されていない全くの偽番組だと知る
誘拐され、歪んだ愛情を注がれ続けたジェームス
だけど、彼にとってはブリグズビーベアはヒーローであり、全てだった
誘拐した両親が逮捕されて新しい生活が始まった時に、彼はブリグズビーベアの続きを作りたいと思うようになる…

ジェームスの周りにいる人達が本当に良い人ばかり
ジェームスの純粋な想いが、一緒にブリグズビーベアの映画を作りたいと駆り立てていく
好きな事をやっている時が一番輝いているときなのだ
そしてそれを理解してくれる人が居るというのはとても嬉しいことなのだ

設定としては結構重い事なのにそれを感じさせないテンポと明るさ!
誘拐犯のマーク・ハミルも、やってる事は許されない事ではあるけれど、ブリグズビーベアを作り続けていたのもある意味ジェームスに対する愛情からなんでしょうね…
いや、本当に許されないんだけど、それでも彼なりの愛情表現だったんだと思います(笑)
それでやっぱりあの作品のオマージュやっちゃうんですね!っていうシーンも!
マーク・ハミルがいるからこそですかね?
そもそもブリグズビーベアも設定はSFですしね(笑)

好きこそ物の上手なれ、とはまさしくこの映画のためにあるような言葉
全ての創作活動をされている人達に捧げられたような、とても勇気付けられる作品
好きな事を純粋な気持ちで続けて生きたいと思えました
傑作!
キー坊

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