誰もが唯一の同じ「物語」を信じ、それ以外の物語を排除する社会は生きにくい。
「ブリグズビー・ベア」は決して完成度の高い物語ではないし、そのキャラクター・デザインは「パクリ」と言われても仕方がないレベルだ。
しかし25年間地下シェルターに閉じ込められていたジェームスにとって、それはかけがえのない物語であり、他人が否定できるものではない。
最初は周りから奇異な目で見られていたジェームスだったが、彼の「ブリグズビー・ベア」の映画を撮りたいという情熱に魅せられて、仲間の輪が広がっていく様は感動的だった。
「物語」は「物騙り」でもある。
それは必ずしも正しさを主張するものではない。
たとえ張りぼてであっても、その人にとっては大事な物語がある。
それぞれがそれぞれの物語を信じ、互いに「多様性」を認め合う社会でありたい。