次男

ブリグズビー・ベアの次男のレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.5
映画館を出たとき、瞼腫れてた。
この映画、ずーーっと僕の琴線をべたべたべたべた触ってくんの。登場人物みんなの、それぞれの立場からの気持ちがどばどばと僕の中に入ってきて、その全部なかなか効くのだけど、とりわけそんな中でも主人公ジェームズくんのやつがもうやばい、琴線触れるとかじゃねえ琴線をぶん殴ってきて「アン!!!」ってなって僕は瞼を腫らせた。

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ジェームズ君の、まばゆいばかりの初期衝動と好奇心と創作意欲。意思が始めて疎通すること、興奮して語り合うこと、仲間と作品を作ること、不安なこと嬉しいこと。

…それだけを連ねると、いろんな「映画をつくる映画」も該当するけど、この映画が白眉だったのは、(不謹慎ながら)あまりに面白い主人公の事情と、そんな散りばめた事情を創作が吹き飛ばすことだと思った。

ポップなようで随分とヘビーなお話で、随分とというか、とてもヘビー。作ることは正しいのか間違っているのか、彼は正常か異常か、周囲はどうするのが正しいのか、エトセトラ。そのヘビーが故にね、勝手にこっちが慮ってしまう。こんなにライトでいいの?とか、そんな程度で済むのかなあとか。余計なことを考え続けて、終いには「ブリグズビーベアとはなんのアイコンなのか?」みたいなことをさ頭でっかちに考えようとしちゃう。

でも、ジェームズはそんなの本当に関係ない、あるのは「ブリグズビーベアが好き」と「ブリグズビーベアの続編を作りたい」。
ジェームズにとってブリグズビーベアがなんだったのかって、ブリグズビーベアはブリグズビーベアでしかないだろって。犯罪者のつくった者、とか、悪影響の根源、とか、そんな付加価値「ブリグズビーベアとはなにか?」って考えることこそ後天的に備えてしまった悪癖、本来の姿を目くらます障害物、本質を見誤る原因。
なのかも。

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違う、こんなぶつぶつ言葉で語っちゃいけない!!ただでさえピュアな初期衝動を、格別にピュアな形で見せてもらった。「やるぞ!!!」ってならんわけない!やるぞぞぞ!!!

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大事なことを忘れてた。
妹のオーブリーちゃん、好みすぎてそわそわした。
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