バス行っちゃった

ブリグズビー・ベアのバス行っちゃったのネタバレレビュー・内容・結末

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

声優としてのマーク・ハミルはあまり知らなかったのだけれども、最後のナレーションを聞いて、なるほど人生に無駄な恋(こと)なんてないんだなと。(「だけどあの映画を見ていた時間は無駄だった感」も同時に去来してしまうさっそくのこの矛盾はこの映画とは全く関係なし)

いくらかスピッていなくもない系のブログやメルマガなんかで物事に良い悪いはないというような話をたまに見かけるのだけれど、そしてそんなものを探して読んでいる自分の先取りミドルエイジクライシス感もなかなかなものだななどと思ったりもするのだけれども、だからこそなのか、歪なところからはじまった主人公のベア愛の純粋で理由の是非など頓着しないホドロフスキーチックな猛進ぶりに惹きつけられてしまってもう。

ただ、完成したベアの完結編をちゃんと流してくれたこと自体はありがとうって伝えたくてではあるのだけれど、その出来が微妙というか、凄さがあまり伝わってこなくて。

それでも劇中の客はスタンディング状態だったものだから、自分の感性に問題があるだけなのか、それともポップコーンから酸化した油の味がしていたのが集中力を邪魔したのか、はたまた彼らは主人公のバックストーリーを加味して拍手をしているというのもあったのだろうかなどなど考えてしまって、喜ぶ主人公の姿が少し悲しいもののようにも見えてしまって。

まあそうしたものもコミコミで胸が熱くなってしまったし、ほんのり油の腐った味のするキャラメルポップコーンも乙なものということで、とにもかくにもカセットを再生できるベアヘッド発売を強く望むものである。