図司雪鷹

ブリグズビー・ベアの図司雪鷹のレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
5.0
青年ジェームスはいつも家の中で暮らし、ブリグズビーベアという、クマの着ぐるみのキャラクターが宇宙で大活躍する冒険物の番組を見ていた。彼はブリグズビーベアが大好きで、部屋の中にはいつもブリグズビーベアがいた。そんな彼の様子を見つめるのは両親のみ。両親は、彼に外に出てはいけないよと言い、ジェームスは外の世界に一切関わることができなかった。
だが、そんなジェームスの日常を破壊したのは警察だった。逮捕される両親。そして警察官から衝撃の事実を聞かされる。なんと、ジェームスが両親と思っていた男女は本当の両親ではなく、ジェームスを誘拐した人たちで、本当の両親は別にいると言うのだ。


そして、ジェームスは本当の家族に出会う。両親。妹。犬。ただ、ジェームスはずっと引きこもっていたので、会話の仕方がよくわからなかった。
さらに、自分が大好きだったブリグズビーベアという番組は実在しておらず、偽の父親が自分のために作っていたことを知る。しかし、偽の父親は逮捕されてしまったのでジェームスは続きを見ることができない。

だから彼は決意した。自分がブリグズビーベアを作ろうと。
ジェームスは妹を通じて、映画製作のプロを目指す青年スペンサーに出会う。スペンサーは奇特なジェームスの性格を面白く思い、一緒に映画を作ることを決意する。

だが、ジェームスは社会の常識をまだよくわかってない。悪い意味で子供の様な大人だ。それが原因で映画製作は中断になってしまう。映画製作はどうなってしまうのだろうか。


この作品は、ジェームスがブリグズビーベアを本当に愛していることが伝わってくる。人間は小さい時に見た思い出深いものは覚えているものだろう。ジェームスは小さい時から大人になるまでずっと見ていたからね…余計にね…
その愛情が周りの人たちを突き動かす。ただ、両親だけはどうも乗り気にならない。それは当然だろう。ブリグズビーベアというのは彼らにとって、誘拐犯による教育だからだ。
ちなみにブリグズビーベアの番組シーンが何回か出てくるのだが、なんだかとても面白い。意味の分からないシーン、ブリグズビーベアのシュールさが癖になってしまいそうだ。ブリグズビーベアが歌うシーンとか最高だった。

映画製作というのはどんな大作でも素人作品でも結局多くの人が関わる。ずっと閉じ込められていたジェームスが映画製作の途中でコミュニケーションに目覚め、満面の笑みで映画製作に取り組む姿には感動させられた。人の成長というのは(とりわけジェームスに関しては)大変なことだと思うが、だが、それを乗り越えた先には素晴らしいものが待っているのだということを学ぶことができた。