大変に素晴らしい舞台立てにも拘らず。
大仰に演出する事をせずただ淡々と語る、その冷静さもそうですし。
たとえば向き合う世界に馴染めずに居る人物を、向き合う世界を持たなかった主人公と対比する位置に置いて以てみんなのえいがにも出来るところをそうはせずに飽く迄も主人公の物語に留め、きみのえいがとして掛け替えのないものに仕立てる、その的確さもそうですし。
とにかく、巧い、と思っちゃうんですよね。
好い映画だと思いますよ、とても好い映画だとは思うんですよ。
でもやっぱりそれ以前に、巧い、だからきっと届くべきところに届くよ絶対に、こんなにも真ん丸なんだからよく転がるだろうしさ、と思っちゃうんですよ。
未だ以て夏休みを終わらせていないあたしにゃあ、俺の映画だ、と思えないんですよ詰まり巧過ぎて。