にゃんこむ

ブリグズビー・ベアのにゃんこむのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.2
○ジェームズは、外界から遮断されたシェルターで両親と暮らしていた。子供の頃から「ブリグズビー・ベア」を見て育ち、「ブリブズビー・ベア」の研究に勤しむジェームズ。ある日、警察が家にやってきてジェームズを家から連れ出してしまう。なんと今まで一緒に暮らしてきた両親は……

もっと馬鹿馬鹿しい映画かと思っていたのですが、ちょくちょくダークさを覗かせる前半。
息子を奪った犯罪者に影響されまくる息子。はじめ、両親は息子が帰ってきた喜びを噛みしめていたが、ある意味『洗脳』されていた息子に戸惑いと歯がゆさを覚える。
しかし、後半になるにつれ両親は、『ブリグズビー・ベア』ごと息子を認めるようになる。
カウンセラーは。過去は忘れなさい、次のステージに行きなさい、と今までのジェームズを否定するところに不快感がありましたが、周りの人々はジェームズを茶化したり持て余したりしつつも、認めてくれているんですよね。

『ブリグズビー・ベア』の続編が無いと知ったジェームズの「自分で作ろう」という行動も非常に前向きで良い。こういう前向きな思考も『ブリグズビー・ベア』で培われたのかと思うと感慨深いものがあります。

浮世離れした生活をしていたジェームズが案外呑み込みが早かったり、妹の友人たちが非常に良い人達だったり、協力者がいたりと、ご都合主義的なところはあるんですが、こういう皆が優しい作品っていうのはとても好き。

期待していたよりコメディー的な面白さは無かったのですが、とても胸を打たれる内容で良かったです。
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