赤ん坊の時に誘拐され25年間監禁されていた男が主人公というなかなかハードな話を下敷きに、あえて「創作すること」の陽の部分のみを徹底的に描いていてみせることで暖かくも考えさせられる作品だった。
いかに“クリエーター”が偉いかという話ではなくて、何かを「クリエイト」する事それ自体の素晴らしさに焦点が当たってたところがこの映画の憎めないところだと思う。
特に良いなと思ったのは普通は交わらない世界が創作活動を通して交わる事が出来ること。
そして、この作品はそれを極端に描いてはいるけどむしろ家族を作り直すにあたってあれ以上のソフトランディングもないんじゃないかな。
そもそも主人公自体もあの2人の創作物(作品)とも言える、ある意味恐ろしいことだけど、それを創作によって乗り越える。
ここまで徹底して創作というものを描いてるとは思わなかったから、まあ暖色系で照らされてる物体の形は歪という変わった感触もあるけどとても良いものを観た気がした。