ハッピーアイスクリーム

ブリグズビー・ベアのハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.2
幼い頃に誘拐され、外界から隔離されたシェルターで偽の両親が作った偽の教育番組『ブリグズビー・ベア』だけを見て育った青年が、外の世界で新たな人生を歩み始める姿を描いたコメディドラマ。

サンダンス映画祭やカンヌなどの多数の映画祭に出品され絶賛された作品。

とても優しい心温まる物語でした。主人公のキャラクターが非常に良かったです。
幼い頃から25年もの間監禁され、ずっと両親だと思っていた誘拐犯とショッキングな別れをして、いきなり外の世界に連れ出されたのに、明るく前向きで悲壮感がない。
被害者感ゼロなのが他とは違うなと思いました。
偽物の両親のことも、本物の両親のことも愛していて、ちゃんと世界を受け入れているのが素敵だった。

もう一つ魅力的だったのは、映画作りへの情熱。
素人どころか世間も知らない彼がブリグズビーへの愛だけで映画を作り上げていく姿は胸打たれます。
限られた条件の中で工夫を凝らし、荒削りながらもなんとか形にしようとするこの感じ。そして次第にみんなの心を動かして巻き起こるムーブメント。
個人的には『カメラを止めるな!』の面白さに共通する部分を感じた。
そのメイキング部分があったからこそ、最後に完成した作品に感動出来たのだと思います。

“強くあれ”

手作り感満載の創作物にこんなにもワクワクしてしまうのは、きっと、そこに作り手の熱意と努力、物語を感じるから。

スマイルシスターズとの再会シーンは、彼の成長と、過去との一つの区切りをつけるようですごく良かった。

気持ちさえあれば何でもできる純粋さと若さがとても眩しかった。