このレビューはネタバレを含みます
幼少期から誘拐され成長の月日を失ったこどもの様なオトナのジェームス。
彼が警察に保護され、本当の両親のところに戻ってからの日々はとても刺激的でカラフル。
戻ってからの現実の過酷さと、彼を育てたフィクションのヒーロー・ブリグズビーが与えてくれる力が振り子のようで引き込まれる。
隠されて暮らした過去から25歳で現世へ戻った彼を奇異の目で見てしまう自分もいた。
現実に目の前に居たら。
同調気質の強い日本に住む自分なら避けて通るかも。
だが同時に、愛情を込めて作られたフィクションを心の支えに前に進む彼は私自身でもあった。
ジェームスの素直で率直な人柄と、映画づくりにかける熱量が一気に心の距離を縮めてくれる。
なあ
他人の評価なんて
どうでもいいさ
君はやり遂げた
フィクションを愛する友スペンスの台詞は、自分もこの世で生きていく上で最も授けられたい言葉だな
そう思った。