slow

アルカディアのslowのネタバレレビュー・内容・結末

アルカディア(2017年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

希望とは絶望を違う角度から見ているに過ぎない。これはカルト集団を『マーサ、あるいはマーシー・メイ』のシリアスとは異なるテイストで映像化した作品(と決め込んで鑑賞)。ユーモアもあり一見笑えるけれど、紐解こうとすればするほど、こちらも大真面目な物語であることがわかってくる。

時が止まったままの世界、繰り返す世界とは、弱った人々の拠り所なのだろうか(前を向けない、先に進めない人々)。それとも、カルト集団による昇天(集団自殺という罪)が神の怒りに触れ、それを償えと無限ループさせられているということなのだろうか。これらはどちらでもあるような、ないような気がする。夫を探す女性と、友人を訪ねた男性は、もしかしたら兄弟の両親なのかもしれず、だとすればめちゃくちゃ切ない物語でもある。また、神に対して素直に悔い改める態度(綱引きに参加など)を取る者には長いスパンのループを、反抗的な者には短い地獄ループを罰として与えている、裁きの物語にも見える。そういう設定なら昔兄弟が一度は脱出できたというのも二つの意味で理解できる。テープが送られて来たのは、もしかしたら参加するしかなかった彼らのSOSだったのかもしれないし、神からの招待状だったのかもしれない。もっと違う考察がありるのだろうけれど(月の謎も解けていない)、これはこれであり。過去に観た『モンスター〜』が好きだったので鑑賞したけれど、この監督たち好きだ。
slow

slow